債券の基本
債券とは
・債券とは、国や企業などが、投資家からお金を借りる(資金調達する)際に発行する借用証書のようなもの。
・債券には、国が発行する国債、地方公共団体が発行する地方債、一般事業会社が発行する社債、金融機関が発行する金融債などがある。
債券に関する用語の説明
償還期限:返済期限。満期ともいう。
発行価格:借入金額。債権が新規発行されるときの価格。
額面金額:債券に記載された金額。
表面利率:額面金額に対する利率。クーポンレートともいう。
債券の種類

債券の発行価格
・債券の発行価格は、額面100円当たりの価格で表示される。
・額面100円当たり100円(額面金額と同じ金額)で発行される場合をパー発行、100円未満(額面金額より低い金額)で発行される場合をアンダー・パー発行、100円超(額面金額より高い金額)で発行される場合をオーバー・パー発行という。
個人向け国債
・個人向け国債は、購入者を個人に限定した国債。
・償還期限10年の変動金利型、償還期限5年の固定金利型、償還期限3年の固定金利型がある。

債券の利回り
・債券の利回りとは、当初の投資額に対する利息と償還差損益の割合をいう。
・債券の利回りには、直接利回り・応募者利回り・最終利回り・所有期間利回りがある。
直接利回り
・投資金額(購入価格)に対する毎年の利息収入の割合
直接利回り(%)=表面利率/購入価格×100
・例えば、表面利率1%の債券を102円で購入した場合は、1/102×100≒0.98%
応募者利回り
・債券の発行時に購入し、償還まで所有した場合の利回り
応募者利回り(%)=【表面利率+(額面-発行価格)/償還期限】/発行価格×100
・例えば、表面利率1%、発行価格98円、償還期限5年の債券を購入した場合、【1+(100-98)/5】/98×100≒1.43%
最終利回り
・すでに発行されている債券を時価で購入し、償還まで所有した場合の利回り
最終利回り(%)=【表面利率+(額面-購入価格)/残存年数】/購入価格×100
・例えば、表面利率1%、償還期限5年、発行価格99円の債券を、残存年数3年の時点で99円で購入した場合、【1+(100-99)/3】/99×100≒1.35%
所有期間利回り
・新規発行の債券または既発行の債券を購入し、償還前に売却した場合の利回り
所有期間利回り(%)=【表面利率+(売却価格)-購入価格/所有期間】/購入価格×100
・例えば、表面利率1%、償還期限5年、発行価格98円の債券を発行時に購入し、4年後に103円で売却した場合、【1+(103-98)/4】/98×100≒2.3%

色々と名前がついていますが、どれも覚える必要はありません。
基本的には利回りとは投資元本に対してどれくらいの利益が1年間に出たかを表すものです。
債券の利益は、①安く売って高く売ることによるキャピタルゲインと、②保有による利回りであるインカムゲインしかありません。
なので、例えば、表面利率1%、償還期限5年、発行価格99円の債券を、残存年数3年の時点で99円で購入して満期まで保有した場合だと、
キャピタルゲインは99円で買って100円で売るので、100-99=1円です。
インカムゲインは表面利率1%であるため、3年間で1×3=3円です。
そのため、3年間で得た利益は4円で、1年間で得た利益は4÷3円ということになります。それを得るための投資元本が購入価格の99円です。
結果として、利回りは(4÷3円)÷99円×100≒1.35%となります。
債券のリスク
・債券のリスクには、価格変動リスク・信用リスク・流動性リスク・為替変動リスクなどがある。
価格変動リスク(金利変動リスク)
・価格変動リスクとは、市場金利の変動に伴って、債券の価格が変動するリスクを言う。
・一般に市場金利が上昇すると、債券価格は下落し、利回りは上昇する。
→市場金利が上昇すると、債券を持っているよりも銀行にお金を預けた方が得になり、債券が売られて価格が下落する。

債券の利回りは市場金利を反映したものなので、金利が上がれば債券の利回りは上昇します。市場金利が上がれば債券の価値は薄まる(あえて債券を買って利回りを得るメリットが無くなる)ので、債券価格は下落します。
債券の価格と金利が逆に動くというのは、投資をしていればよく耳にすることかと思います。
信用リスク
・信用リスクとは、債券の元本や利息の支払いが遅延したり、その一部または全部が支払われないリスクを言い、デフォルトリスク、債務不履行リスクともいう。
・信用リスクの目安として、格付けがある。
・債券の格付けは「AAA」や「C」といった記号で表され、格付けの高い(信用リスクが低い)債券ほど利回りが低く、債券価格は高くなる。


基本的に資産運用において、リスク無しで高い利回りが得られるものはありません。
大きな利益を得るためには大きなリスクを背負う必要があります。
債券も同じで、債務不履行リスクが高い危険な怪しい新興国の債券ほど利回りは高くなります。その分国が破綻して、お金が返ってこなくなるリスクも高まります。
流動性リスク
・取引量が少ない債券の場合、満期前に途中売却しようとしても、なかなか取引が成立しないリスクがある。
コメント
債券は最後まで持ち続ければ、損をすることがない金融商品です(国や会社が破綻しないことが前提ですが)。その安全性の高さの分、利回りは株式の投資には劣る商品です。

基本的には金利を上げることで債券の利回りも上がりますが、その国の通貨の価値も上がります。そのため、日本以外の国の債券を買う場合には、為替変動リスクに注意しましょう。
例えば、アメリカが利上げをして日本が利上げをしなかった場合、アメリカの債券の利回りは金利上昇とともに上昇します。一方で、アメリカと日本で金利の差がつくために、為替はドル高円安になることが一般的です。
これがこの数年で日本とアメリカの間で起きていたことであり、アメリカは利上げした結果、債券の利回りも5%前後まで上昇しました。低金利の日本ではありえない利回りが提供されており、魅力的な利回り水準ですが、一方でドル高円安が進んで、1ドル100円前後→150円前後まで円安が進みました。1ドル150円で5%の利回りのある債券を買ったとしても、今後1ドル100円まで円高が進めば、為替だけで33%も評価損が出ることになります。
本当に投資をすべきかどうかは為替水準と合わせて検討した方が良いように思います。
この章では、債券の利回りの計算が頻出です。計算式を覚えるのではなく、自分なりのやり方で計算できるようになっておく方が良いです。
過去問

正解はこちら
正解は②です。計算式を覚える必要はありません。
5年間の保有期間で得たキャピタルゲイン(債券の売買そのもので得たお金)は-1円です(101円で買って100円で売っているので1円の損です)。インカムゲイン(債券の利率に伴って得られるお金)は0.5円×5年=2.5円です。結果として5年間で-1+2.5=1.5円の利益を得ており、1年間での利益は1.5円÷5年=0.3円です。
0.3円の利益を得るための投資元本が101円(当初債券を購入した価格)なので、(0.3円÷101円)×100≒0.3%となります。

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