5-1 不動産の基本

ファイナンシャルプランナー

不動産とは

・不動産とは、土地及びその定着物(建物や石垣など)をいう。

土地の価格

・土地の価格には、売主と買主の合意で決まる実勢価格のほか、公的機関が公表する公示価格基準地標準価格固定資産税評価額相続税評価額(路線価)といった4つの公的な価格がある。

SKReo
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実勢価格は、公的な価格を目安に決められ、時価とも言われます。

・各価格の内容は以下の通り。

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私なりの覚え方は、基準値標準価格は公示価格の補完的な役割なので、基準日も発表時期も公示価格の半年後。

固定資産税評価額は毎年支払う固定資産税や都市計画税に関わるものなので、死亡した時など課税のタイミングが少ない相続税評価額よりも安く設定されていて70%。

不動産の鑑定評価

・前記の公的な価格を目安にして、取引価格が決定されるが、その取引価格が現実とかけ離れている場合もある。そこで、取引価格が適正なものかどうかを専門家(不動産鑑定士等)が判定する。

・その際に用いる鑑定評価の方法には次の3つがある。

《取引事例比較法》
・似たような取引事例を参考にして、それに時点修正や事情補正、地域要因等の比較を加えて価格を求める方法。

《原価法》
・再調達原価(今買ったらいくらで買えるか)を求め、それに減価修正(老朽化分を差し引く)を加えて価格を求める方法。

《収益還元法》
・対象不動産が将来生み出すであろう純収益と、最終的な売却価格から現在の価格を求める方法。
・対象不動産が生み出す単年度の純収益を一定率で割り戻して価格を求める方法である直接還元法と、対象不動産の保有期間中に対象不動産が生み出す(複数年の)純収益と最終的な売却価格を現在価値に割り戻して価格を求める方法であるDCF法がある。

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直接還元法は、単年度の収益を利回りで割ったもの(例えばA年の家賃収入を、その建物がある場所や築年数を加味した期待利回りで割って、その価値を求めたもの)なので、「単年の」収益を評価したものです。

DCF法は、保有していた期間に不動産が生み出した家賃収入に加えて、不動産売却で得られるであろう金額を含めてその不動産が生み出す収益を計算したものになります。DCF法の方がより具体的で参考になる指標です。

不動産の登記

・不動産は、所有地や所有者等の権利などが不動産登記記録(登記簿)に記載され、公示される。

・不動産登記とは、土地や建物の状況(所在地・面積・構造など)や権利関係を法務局(登記所)の登記記録に記録しているものである。

・不動産登記簿は、手続きをすればだれでも閲覧することが出来る。

不動産登記簿の構成

・不動産登記簿は1つずつの土地や建物ごとに表題部(表示に関する登記)と権利部(権利に関する登記)から構成されている。

・また、権利部は甲区乙区に区分されている。

《甲区(登記の目的について)》
所有権保存登記:甲区に初めて登記するときに使われる。
所有権移転登記:売買等で所有権が移転した時に使われる。

《乙区(抵当権設定登記について)》
・債務者や抵当権者(債権者)、当初の債権額などが書かれている。
抵当権は弁済すると消滅するが、登記は自動的に抹消されるわけではなく抹消登記が必要。
・他の債権者が抵当権を登記することも可能。
・債務者からの弁済がない場合、抵当権者は裁判所に申し立てて競売などにより債権を回収できる。

法務省のHPより引用

不動産登記の効力

・不動産登記をしておくと、第三者に対して「自分がその不動産の権利者である」ということを主張できる。これを対抗力という。

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不動産において二重の売買契約があったとしても、先に所有権移転登記を行った者が当該不動産の所有権を持つことになります。これが対抗力です。

・登記がなくても第三者に対抗できるケースもある。
①借りている土地に建物を建てた場合(借地権):借地上に借地権者が、自己を所有者として登記した建物を所有していれば、借地権に関する登記がなくても第三者に対抗できる。
②賃貸物件の引き渡しを受けた場合(借家権):建物の貸借人が建物の引き渡し(鍵の引き渡し等)を受けていれば、借家権の登記がなくても第三者に対抗できる。

・なお、登記には公信力がないため、偽の登記の記録を信頼して取引した人が必ずしも法的に保護されるわけではない。

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不動産登記には公信力がないため、登記に嘘があったにも関わらず、その登記の内容を信じて取引をして損害を受けたとしても法的に保護されるわけではありません。

なので、不動産登記上はAさんが所有者として記載されていても、本当にAさんが所有者であるとは限りません。Aさんが詐欺師であった場合、あたかもその土地の所有者の顔をして売買契約を持ちかけてくるかもしれません(;・∀・)


・不動産の本登記をするための要件が整わない場合、将来の本登記のために仮登記をして登記の順位を保全することが出来る。ただし、仮登記には対抗力がない。

登記申請

《登記申請の方法》
・権利等を登記するには、法務局(登記所)に申請する。
・法務局に出向くか、郵送か、オンライン申請も可能。

《相続登記の義務化》
・権利部の登記は原則、任意。ただし、2024年4月1日より不動産を相続したことを相続人が知った日から3年以内に相続登記を申請することが義務化された(過去の相続にも適用されるので2024/4/1から3年以内に登記する義務がある)。

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ちなみに以前から表題部は登記義務があり、新築等から1か月以内に登録しないといけません。

《登記識別情報》
・登記により新たな権利を取得した場合、従来の登記済証に代えて12桁の英数字による符号が発行される。これを登記識別情報といい、抵当権の設定登記・抹消登記・不動産の所有権移転登記などを行う際、本人確認方法として使用される。
・また、登記識別情報は原則として登記名義人となった申請者に、登記識別情報通知が交付される。

《登記記録の交付》
・登記記録は、法務局で手数料を納付して申請すれば、だれでも登記事項証明書(登記記録の記載事項を証明した書面)や登記事項要約書(登記事項要約書)の交付請求をすることができる。
・登記事項証明書はオンラインによる交付請求も出来るが、受取は登記所窓口か郵送となる。

登記記録以外の調査資料

・登記記録以外にも、不動産の状況を調査・確認できる資料がある。

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不動産を相続される方もいるのではないでしょうか?義務化された権利部の登記を忘れないようにしましょう。

この章では、土地の価格と登記が最重要です。

過去問

2022/05月
正解はこちら

正解は③です。路線価は、公示価格の80%です。

2023/05月 学科試験
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正解は④です。取引事例の取引時点が評価しようとしている価格時点と異なるなら、修正が必要です。例えば、不況で不動産価格が落ち込んでいる時の取引価格を、好況で不動産価格が上昇している時にそのまま使用することはできません。

2023/09月 学科試験
正解はこちら

正解は③です。建物を新築した場合の表題登記は1か月以内です。権利部に登記することになる所有権保存登記には申請義務はありません(申請しなくてもOKだが対抗力は持たないことになる)。

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