財産の評価
・相続や贈与により取得した財産の価額は、原則として財産取得時の時価で評価する。
宅地の評価
・宅地とは、建物の敷地として用いられる土地をいう。
宅地の評価単位
・宅地は、一画地(利用単位)ごとに評価する。
宅地の評価方法
・宅地の評価方法には、路線価方式と倍率方式がある。
路線価方式:市街地にある宅地の評価方法
倍率方式:市街地以外で、路線価が定められていない郊外地や農村部などにある宅地の評価方法
《路線価方式》
・路線価方式は、宅地が面する道路(路線)ごとに付された1㎡あたりの価額(路線価)に宅地の面積(地積)を掛けて、宅地の評価額を計算する方法である。千円単位で表示する。
評価額=路線価×地積
《倍率方式》
・倍率方式は、宅地の固定資産税評価額に、国税局長が定めた一定割合をかけて宅地の評価額を計算する方法である。
・路線価が定められていない、郊外地にある宅地の評価法。
宅地の評価
・宅地は、自用地、借地権、貸宅地、貸家建付地、貸家建付借地権に分類して評価する。
《自用地》
・Aさんの土地にAさんの建物がある場合の、Aさんの土地のこと。
・宅地の形状は一定ではなく、縦長であったり、横長であったりする場合がある。
・そこで、宅地(自用地)を路線価方式によって評価する場合には、路線価に奥行価格補正率を掛けて評価額の補正を行う。
自用地の評価額=路線価×奥行価格補正率×地積

《普通借地権》
・Aさんの土地をBさんが借りて自宅を建てている場合、Aさん側が貸宅地。Bさん側が借地権。
・土地の権利には所有権と借地権があり、土地も家も所有している自用地では所有権は100%。一方、他人の土地を借りて家を所有する場合は借地権となり、路線価図では90%のAから30%のGまで10%刻みの7段階で示している。
普通借地権の評価額=自用地の評価額×借地権割合

《貸宅地の評価》
・Aさんの土地をBさんが借りて自宅を建てている場合、Aさん側が貸宅地。Bさん側が借地権。
・貸宅地は貸している土地の評価のこと。
・自分の土地から借地権割合を引くことで、評価額を計算する。
貸宅地の評価額=自用地評価額×(1-借地権割合)

《貸家建付地の評価》
・Aさんの土地にAさんの建物があり、Cさんが借りている場合のAさんの土地のこと。
・自分の土地に建物を所有して貸している場合の土地の評価。
・借地権割合は土地を借りる権利の割合なのに対して、借家権割合とは建物を借りる権利の割合のこと。賃貸割合とは、全体の住戸のうち実際に貸している床面積の割合のこと。満室の場合は賃貸割合が100%になる。
・貸家建付地は次の計算式により評価する。
評価額=自用地評価額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)
・借家権割合は、全国一律で30%

《貸家建付借地権の割合》
・Aさんの土地にBさんの建物があり、Cさんに貸している場合のBさんの借地権。
・貸家建付借地権とは、土地を借りている人がアパートなどの貸家を所有して貸している場合の、借りている土地の評価。
貸家建付借地権=自用地評価額×借地権割合×(1-借家権割合(30%)×賃貸割合)

家屋の評価
・家屋は次の計算式により評価する。
自用家屋の評価額=固定資産税評価額×1.0
貸家の評価額=固定資産税評価額×(1-借家権割合(30%)×賃貸割合)
小規模宅地等の課税価格の計算の特例
・被相続人の居住用や事業用であった宅地に高額な相続税を課した場合、被相続人が死亡した後、相続人が居住したり、事業を引き継ぐことができなくなってしまう。
・そこで、このような宅地(一定の要件を満たした宅地)については、通常の評価額から一定割合の評価減を受けることが出来る。この制度を小規模宅地等の課税価格の計算の特例という。
・この特例を利用する場合は、特例を適用した場合の相続税額が0円となる場合でも、相続税の申告書の提出が必要。
・相続税のみの特例で、贈与税にはこの特例はない。

《特定居住用宅地等の要件》
・被相続人または被相続人と生計を共にしていた親族の住居であるほか、以下のいずれかの要件に当てはまる宅地。
被相続人の配偶者が取得した宅地
被相続人の同居親族が取得した宅地で、申告期限まで所有し、住み続けていること
被相続人の配偶者も同居する相続人もいない場合、相続開始前の3年以内に自己、自己の配偶者等の所有する家屋に住んでいない者が所有し続けていること
被相続人と生計を共にしていた親族の居住用宅地等をその親族が取得し、申告期限まで所有し、住み続けていること
《特定事業用宅地等、貸付事業用宅地等の要件》
・被相続人または被相続人と生計を共にしていた親族が事業をしていた宅地であるほか、以下のいずれかの要件に当てはあまる宅地。
被相続人の事業用の宅地を、事業を引き継いだ親族が取得し、申告期限まで所有し続け、その事業を継続していること
被相続人と生計を共にしていた親族がその事業用の宅地を取得し、申告期限まで所有し続け、その事業を継続していること
《3年ルール》
・特定事業用宅地等および貸付事業用宅地等において小規模宅地等の特例の対象から、原則、相続開始前3年以内に事業の用に供されたもの、貸家事業の用に供されたものは除かれる。
《面積調整》
・特定居住用宅地等と特定事業用宅地等(特定事業用宅地と特定同族会社事業用宅地等)は完全併用可能。その場合は、330㎡+400㎡で限度面積が合計730㎡になる。
・貸付事業用宅地等とそれ以外の宅地の併用の場合、一定の面積調整が必要。
株式の評価
上場株式の評価
・上場株式は、次の1-4のうち、もっとも低い金額で評価する。
⒈ 課税時期(相続開始時)の終値
⒉ 課税時期の属する月の毎日の終値の平均
⒊ 課税時期の属する月の前月の毎日の終値の平均
⒋ 課税時期の属する月の前々月の毎日の終値の平均
《取引相場の無い株式(非上場株式)の評価》
・取引相場のない株式の評価方法には、類似業種比準方式、純資産価額方式、配当還元方式の3つがある。
・同族会社等が取得する場合は類似業種比準方式や純資産価額方式を用い、同族会社等以外が取得する場合には配当還元方式で評価する
【類似業種比準方式】
・上場している類似業種企業の株価をもとにして、配当・利益・純資産の3つの要素を加味して評価額を算定する方法。
【純資産価額方式】
・その会社の純資産額を相続税評価額(時価)で評価して、それを発行済株式数で割ることで、1株当たりの評価額を算定する方法。
【配当還元方式】
・その会社の過去2年間の配当平均額を一定の利率(10%)で還元して評価する方法。

同族会社が取得する場合は、大会社なら類似業種比準方式、小会社なら純資産価額方式です。併用するパターンもあります。
同族会社以外が取得する場合には配当還元方式を用います。”10%”も良く出るので注意を!
その他の財産の評価
ゴルフ会員権の評価
・次の計算式により評価する。
評価額=通常の取引価額×70%
生命保険契約に関する権利の評価
・生命保険契約(相続開始時において、まだ保険事故が発生していない生命保険契約)に関する権利の価格は次の計算式により評価する。
評価額=解約返戻金相当額
定期預金の評価
・定期預金は次の計算式により評価する。
評価額=預入残高+(既経過利息-源泉徴収税額)
コメント
相続税対策をする上で、そもそもの相続税が計算できないと始まりません。
ご自身に関係する部分があれば、調べてみてはいかがでしょうか?
小規模宅地等の課税価格の計算の特例は良く出題されるので確認しておきましょう。条件がややこしいですが、ざっくりすると配偶者の場合はどういった条件でも適応されることが多いです。それ以外の親族等の場合は、その家を所有して住み続けている必要があったり、その家以外にマイホームを持っていないなどの条件があったりします。

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