老齢基礎年金
・老齢基礎年金は、受給資格期間が10年以上の人が65歳以上になった時から受け取ることができる。
受給資格期間とは
・受給資格期間とは、老齢基礎年金を受け取るために満たさなければならない期間を言い、保険料納付済期間・保険料免除期間・合算対象期間(カラ期間)を合計した期間のこと。
・受給資格期間=保険料納付済期間(第1-3号被保険者として保険料を納付した期間+産前産後期間の保険料を免除された期間)+保険料免除期間(第1号被保険者で保険料を免除or猶予された期間)+合算対象期間(受給資格期間には反映されるが、実際の年金額には反映されない期間/昔は国民年金は任意加入で、その際に加入していなかった期間など)
・国民年金の被保険者になるのは20歳~60歳の40年であり、12か月×40年=480月の納付で満額となる。
老齢基礎年金の年金額
・2024年度は81万6000円である(毎年変わる)。
・20歳~60歳までの12か月*40年=480か月すべて納付した場合に満額となる。
・ただし、免除期間等がある人はこの金額よりも少なくなり、以下の2つの合計計算となる。

・上記の免除月数は、第1号被保険者の法定免除期間と申請免除期間のことである。
・合算対象期間・学生納付特例期間・納付猶予期間は年金額の計算には反映されないため、追納しなければ年金額は減額される。
・年金額の端数処理は、1円未満を四捨五入である。ちなみに、満額の老齢基礎年金は100円単位(50円以上で切り上げ/50円以下で切り捨て)である。
老齢基礎年金の繰上げ受給と繰下げ受給
・繰上げ受給とは65歳よりも早く(60歳から64歳までに)年金の受け取りを開始することを言い、繰下げ受給は65歳よりも遅く(66歳から75歳までに)年金の受け取りを開始することを言う。
・繰上げ受給を行った場合には、繰り上げた月数×0.4%が年金額から減額される。最大で24%(0.4%×12か月×5年)の減額。
・繰下げ受給を行った場合には、繰り下げた月数×0.7%が年金額に加算される。最大で84%(0.7%×12か月×10年)の増額。

付加年金
・付加年金とは、第1号被保険者のみの制度で、任意で月額400円を国民年金保険料に上乗せして納付することによって、「付加年金の納付月数×200円」が老齢基礎年金に加算される。
・なお、付加年金と国民年金基金の併用はできない。iDeCoとの併用は可能。


老齢基礎年金の繰上げ/繰下げと合わせて、付加年金額も増減額します。
老齢厚生年金
概要
・厚生年金から支給される老齢給付のうち、60歳から64歳までに支給される老齢給付を特別支給の老齢厚生年金、65歳以上に支給される老齢給付を老齢厚生年金と呼ぶ。
・特別支給の老齢厚生年金は、定額部分(加入期間に応じた金額)と報酬比例部分(在職時の報酬に比例した金額)とに分かれる。

特別支給の老齢厚生年金は、厚生年金保険の支給開始年齢が60歳から65歳に引き上げられたことによる当面の混乱を避けるために、本来は65歳から支給すべき老齢厚生年金を、当面の間は65歳より前から支給することとしたものです。
2024年現在はごくわずかな高齢者のみに関係する話になります。
受給要件
・特別支給の老齢厚生年金の場合は、老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていること&厚生年金の加入期間が1年以上が要件となる。
・老齢厚生年金の場合は、老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていること(=何らかの公的年金に10年間加入)&厚生年金の加入期間が1か月以上が要件となる。

特別支給の老齢厚生年金は「1年以上」、
通常の老齢厚生年金は「1か月以上」の
厚生年金の加入期間が必要です。
経過的加算
・65歳に達すると、特別支給の老齢厚生年金の定額部分が老齢基礎年金に、報酬比例部分が老齢厚生年金に切り替わる。
・しかし、当面の間は定額部分の方が老齢基礎年金額よりも大きいため、その減少分が経過的加算として補われる。

加給年金と振替加算
・加給年金とは、年金の家族手当のようなもので、厚生年金の加入期間が20年以上ある人に、配偶者(65歳未満)または子(18歳に到達した直後の3月31日までの間or20歳未満で障害等級1級or2級の未婚の子)がある場合に、65歳以降の老齢厚生年金の支給開始時から支給される年金。

厚生年金の話なので、自営業の方(第1号被保険者)には関係のない話です。
老齢厚生年金を繰り下げて受給しても、加給年金額は増額されません。
また、加給年金は事実婚の相手も対象になります。
・加給年金は配偶者が65歳になると支給が停止され、その代わりに配偶者の生年月日に応じた金額が配偶者の老齢基礎年金に加算される。これを振替加算という。

振替加算の対象になるのは、1966年4月1日以前に生まれた人だけです。
・加給年金額:配偶者は23万4800円、第一子と第二子は各23万4800円で第三子以降は各7万8300円。

老齢厚生年金の繰上げ受給と繰下げ受給
・老齢厚生年金の受給開始年齢は原則として65歳(老齢基礎年金と同様)だが、繰上げ受給(60歳から64歳の内に年金の受け取りを開始すること)や繰下げ受給(66歳から75歳までに受け取りを開始すること)もできる。
・繰上げ受給の場合は、繰り上げた月数×0.4%(2022年4月1日以降に60歳になる人)が老齢厚生年金から減額される。
・繰下げ受給の場合は、繰り下げた月数×0.7%が老齢厚生年金に加算される。
・老齢厚生年金の繰上げは老齢基礎年金の繰上げと同時に行わなければならないが、老齢厚生年金の繰下げは老齢基礎年金の繰下げと別々に行える。

繰上げは同時に行う必要がありますが、繰下げは別々でOKです。
「お金がなくて繰り上げるなら、両方繰り上げてね」ということで私は覚えています。
在職老齢年金
・在職老齢年金とは、60歳以降も企業(厚生年金の適用事業所)で働く場合の老齢厚生年金をいい、60歳以降に会社等から受け取る給与等の金額に応じて老齢厚生年金の額が減額or支給停止される。
・支給停止されるのは、老齢厚生年金の部分であるため、老齢基礎年金は全額支給される。
・70歳以降は年金保険料の負担はなくなる。
【在職老齢年金の減額調整】
・基本月額(年金)=老齢厚生年金額/12か月
・総報酬月額相当額(今勤務している会社等から受け取っている給料等)=その月の標準報酬月額+(その月以前1年間の標準賞与額/12か月)
【支給停止額の計算法】
・基本月額+総報酬月額相当額≦50万円
→年金の支給停止はなし(全額支給)。
・基本月額+総報酬月額相当額>50万円
→50万円を超える額の1/2が支給停止(または全額停止)
離婚時の年金分割制度
・2007年4月以降に離婚した場合、夫婦間の合意(or裁判所の決定)により、婚姻期間中の厚生年金(夫婦の報酬比例部分の合計)を分割することができる。
・分割方法には合意分割と3号分割があり、いずれも分割の請求期限は離婚してから2年以内である
【合意分割】
・離婚した場合で、夫婦間の合意または裁判所の決定がある時は、婚姻期間中の厚生年金を分割できる。分割割合は夫婦で決められるが、上限は1/2となる。
【3号分割】
・2008年5月以降に離婚した場合、夫婦間の合意がなくても、2008年4月以降の第3号被保険者期間について、第2号被保険者の厚生年金の1/2を分割することができる。
コメント
特別支給の老齢厚生年金や振替加算など、今の現役世代には関係なくなってしまった制度も多い領域です。
最近は、在職老齢年金の壁を壊そうみたいなニュースも流れていますね。

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