宅地建物取引業法
宅地建物取引業とは
・宅地建物取引業とは、次の取引を業として行うことをいう。
宅地/建物の売買、交換(自ら行う)
宅地/建物の売買、交換、貸借の媒介
宅地/建物の売買、交換、貸借の代理
・なお、宅地建物取引業を行うには、都道府県知事又は国土交通大臣から免許を受けなければならない。

自らが貸主となって貸借業を行うことは宅地建物取引業には該当しないため、自分でアパートを建てて人に貸す場合には免許は不要です。
宅地建物取引士とは
・宅地建物取引士とは、国家試験に合格し、実務経験等の要件を満たして、宅地建物取引士証の交付を受けた人をいう。
・宅地建物取引業を行う事務所には、従業員5人に対し、1人以上の専任の宅地建物取引士をおくことが義務付けられている。
・宅地建物取引士の独占業務には以下のものがある。
重要事項の説明(契約前に説明を行う)
重要事項説明書への記名押印
契約書への記名押印
媒介契約
・不動産業者に土地や建物の売買や賃貸借の媒介(仲介)を依頼する場合は、媒介契約を結ぶ。
・宅地建物取引業者は、媒介契約を結んだときは遅滞なく媒介契約書を作成して記名押印し、依頼者に交付しなければならない。
・媒介契約には、一般媒介契約、専任媒介契約、専属専任媒介契約の3つがある。


この媒介契約の中で専任媒介契約や専属専任媒介契約は、契約した不動産会社にとっては不動産の売り手と買い手の両方から手数料を設けるチャンス(両手取引)になります。
なので、不動産業者はレインズに登録する前に知り合いの不動産経営者に声をかけて一般の不動産投資家が物件情報を知り得る前に物件の売買を成立させようとします。
これが不動産経営者の中でしか優良な物件情報が出回らないと言われる所以の1つです。
宅地建物取引業者の報酬限度
・宅地建物取引業者が受け取る報酬は、取引金額に応じて限度額が設けられている。
《不動産の売買・交換の媒介の場合》
売買等の価額 200万以下:売買等の価額×5%
売買等の価額 200万超400万円以下:売買等の価額×4%+2万円
売買等の価額 400万超:売買等の価額×3%+6万円
《貸借の媒介》
原則として貸主と借主の双方から受け取る報酬の合計が借貸の1か月分。
重要事項の説明
・宅地建物取引業者は、契約が成立するまで(契約前)に、お客さん(宅地建物取引業者を除く)に対して、一定の重要事項を書面を用いて説明しなければならない。
・なお、この説明は宅地建物取引士が宅地建物取引士証を提示したうえで契約前に行わなければならない。
不動産の取引に関する法律
手付金
・手付金とは、契約を結ぶ際に買主が売主に渡す金銭のことをいい、通常は解約手付とされる。
・いったん結んだ契約を買主側から解除したい場合には、買主はさきに渡した手付金を放棄することになる。反対に、売主側から解除したい場合には、売主は買主に手付金の2倍の金額を現実に提供する必要がある。
・なお、売主が宅地建物取引業者であり、買主が宅地建物取引業者でない場合、売主は代金の2割を超える手付金を受け取ることは出来ない。
・ただし、相手方が履行に着手(所有権移転登記や代金の全額支払い)したあとは手付による解除はできない。

危険負担と契約不適合責任
危険負担
・売買契約の締結後、建物の引き渡し前に、その建物が第三者による火災や地震など、売主・買主の双方の責めに帰することができない事由によって滅失してしまった場合、買主の代金支払い義務は存続するが、買主は代金支払いの履行を拒むことができる(履行拒否権)。これを危険負担という。
契約不適合責任(瑕疵担保責任)
・契約不適合責任とは、売買の目的物について、種類・品質・数量などで契約内容に適合しない場合、売主が買主に対して負う責任のこと。売買契約において、契約不適合責任を売主に追及するには、原則として、買主はそれを知った時から1年以内にその旨を売主に通知する必要がある。
・なお、新築住宅の売買および請負契約では、「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」に基づき、構造耐力上重要な部分(壁や柱など)および雨水の侵入を防ぐ部分について、売主等は建物の引き渡し日から10年間の瑕疵担保責任を負う。
担保責任
・売買契約の締結後、売主が種類・品質・数量について契約の内容に適合しない不動産を買主に引き渡した場合や、買主に移転した権利が契約の内容に適合しない場合で、一定の要件を満たした際には、買主は売主に対して履行の追完請求、代金減額請求、損害賠償請求、契約の解除をすることができる。
・これらの売主が負う責任を売主の担保責任という。
・買主は不適合を知った時から1年以内に、その旨を売主に通知しないと、原則としてこの不適合を理由に担保責任を追及することができなくなる。
・買主が売主に通知した場合でも、別途、消滅時効の適用がある。
《消滅時効》
・原則として買主が権利を行使できることを知った時から5年
・権利を行使できる時から10年
債務と債務不履行
・不動産売買契約における債務として、一般に買主には「土地建物の代金支払債務」、売主には「売買対象である土地建物の引渡債務」「土地建物の所有権移転登記に協力する債務」がある。これらの債務を履行しないことを債務不履行と言い、履行遅滞・不完全履行・履行不能がある。
《履行遅滞》債務履行が可能にもかかわらず、決められた期限までに債務履行されない場合
《不完全履行》債務履行が形式的には成されたが、不完全な場合
《履行不能》債務を履行しようにも、その履行が不可能となった場合
・債務不履行が生じたときは、債権者は債務者に対して損害賠償の請求ができる。ただし、債務者に債務不履行における帰責事由(責任を負う事由)があることが請求の要件となる。
・また、相当の期間を定めて履行の催告を行い、期間内に履行が無い時は原則として契約の解除ができる。なお、履行不能の場合は、催告なく直ちに契約の解除ができる。
共有と持分について
・1つの物を複数人で所有することを共有という。また、共有している物を共有物、それぞれの人の所有権の割合を持分(共有持分)という。
・共有物については、単独で保存行為はできるが、管理行為や変更・処分行為は単独では出来ない。
壁芯面積と内法面積
・壁芯面積とは、壁の中心線から測定した面積のこと。
・内法面積とは、壁の内側の面積のこと。
・建築基準法では床面積は壁芯面積のことを指し、広告やパンフレットなどに記載されている面積は壁芯面積である。
・登記簿上は、戸建については壁芯面積、マンション等の区分所有建物については内法面積が用いられる。

面積と取引
・登記記録上の面積に基づいた取引を公簿取引という。公簿取引で契約した場合、契約日以降に実測した場合にその面積が登記記録と異なっていても、代金の増減精算は発生しない。
・対して、実際に測定した面積に基づいた取引を実測取引という。実測取引は、契約日以降の実測がその面積と異なっていれば、代金の増減精算が行われる。
未成年者による売買契約
・未成年者(18歳未満)が不動産取引の契約を締結するには法定代理人(原則は親権者)の同意、もしくは法定代理人による手続きが必要。
・また、未成年者が単独で行った場合、本人または法定代理人は原則としてその契約を取り消すことができる。
不動産広告と見方
・徒歩と距離:不動産広告は80mを徒歩1分で表し、80m未満でも徒歩1分となる。「〇駅まで徒歩10分」とは、〇駅までの距離が720m-800mという意味。
・広告と登記記録の面積:区分所有建物(マンション)の床面積は壁芯面積で測るが、登記は内法面積のために壁芯面積より小さくなる。バルコニーは共用部分のため、専有面積には含まれない。
・取引態様:取引態様が「売主」であればその物件を購入するのに仲介手数料はかからないが、「媒介」等の表示であれば宅地建物取引業者への仲介手数料がかかる。
コメント
「駅まで徒歩何分」というのは誰かが適当に早歩きして測ったものかと思っていましたが、FPを勉強して距離で決められているんだと知りました(笑)
この章の中だと手付金が最頻出である印象です。意外と選択肢の一部として駅までの徒歩の距離が出てくるので確認しておきましょう。壁芯面積と内法面積(登記簿では戸建は壁芯面積、区分マンションは内法面積など)も次いでよく出ます。

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