1-12 雇用保険

ファイナンシャルプランナー

概要

・雇用保険は、労働者が失業した場合などに必要な給付を行ったり、再就職を援助する制度(公務員は雇用保険の対象外)。

・雇用保険の保険者は政府で、窓口は公共職業安定所(ハローワーク)である。

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労災保険も保険者は政府で、窓口は労働基準監督署です。

・対象者:企業の労働者で、1週間の所定労働時間が20時間以上であり、同一の事業主に継続して31日以上雇用されることが見込まれる人。被保険者は、一般被保険者、高年齢被保険者、短期雇用特例被保険者、日雇労働被保険者、マルチ高年齢被保険者の5種類に分類される。経営者である社長や役員、個人事業主は原則として加入不可。

日本の人事部より引用

保険料

事業主と労働者で負担(折半ではない)。

・保険料率と負担割合は業種によって異なる。

・労働者が負担するのは、失業等給付と育児休業給付の保険料のみで、雇用保険二事業の保険料は事業主のみが負担。

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保険料の負担割合について、整理。

健康保険は労使折半、雇用保険は全額事業主負担です。

給付内容

  1. 基本手当(求職者給付)
  2. 就職促進給付
  3. 教育訓練給付
  4. 高年齢雇用継続給付
  5. 介護休業給付
  6. 育児休業給付
  7. 高年齢求職者給付金

基本手当(求職者給付)

・基本手当とは、失業者(働く意思と能力はあるが、失業している人)に対する給付で、一般に失業保険と呼ばれている。

基本手当の給付額と給付日数

・基本手当は、労働者が失業した場合に離職前6か月間の賃金日額1の45-80%が支給される。

  1. 賃金日額とは、離職前6か月間に支払われた賃金の総額を180日で割り、1日当たりの賃金額を算出したもの。 ↩︎

・基本手当の給付日数は、失業の理由(自己都合、倒産・解雇等)や被保険者期間、年齢によって異なる。

基本手当の給付日数
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FP1級を目指す人は表を覚える必要があります。

それ以外の級を目指す方は、以下を覚えましょう。

「自己都合による離退職および定年退職の場合は、被保険者の期間が1年以上10年未満で90日、20年以上で150日給付される。倒産・会社都合での解雇の場合は最短でも90日、最長で330日給付される。」

受給要件

・受給要件は、離職前の2年間に被保険者期間が通算12か月以上あること。

・ただし、倒産・解雇等の場合には、離職前の1年間に被保険者期間が通算6か月以上あること。

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「ちょっと就職してすぐ辞めて失業手当をもらおう」みたいなズルは出来ません。

待機期間と給付制限

・基本手当を受けるには、居住地のハローワークに離職票を提出し、求職の申し込みをする。

・求職の申し込みを行った日(最初の受給資格決定日)から7日間は支給されず、この期間を待機期間と呼ぶ。

・なお、自己都合退職の場合には、待機期間7日間に加え、原則1か月間(最長3か月)は支給されない(給付制限)。

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2025年度から、自己都合による退職などの給付制限は2か月→1か月に短縮されました。

受給期間(基本手当を受給できる権利の有効期間)

・離職日の翌日から起算して原則1年間

・ただし、受給期間中に病気・ケガ・妊娠・出産・育児などによって30日以上働くことができなくなった場合は最長3年間延長でき、最長4年間となる。

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受給期間が原則1年間なのは注意が必要です。

最長で330日受給できる基本手当ですが、1年を過ぎてしまうと残日数は消失してしまいます(ただ厳密には所定給付日数が330日の場合は、受給期間は1年間+30日で少し余裕があります)。

なので、基本手当を受給する意思がある場合は早めに手続きをしましょう。

手当の金額

・基本手当日額は、賃金日額に一定の率をかけたもの。

・賃金日額は、離職日前6か月に支払われた賃金総額(基本給+時間外手当+通勤手当、賞与は除く)を180で割ったもの。

・乗じる率は、60歳未満では50-80%、60歳以上65歳未満では45-80%。

高年齢求職者給付金

・65歳以上で雇用されている人(65歳以上で新たに雇用される者を含む)が離職した場合(離職前1年間に被保険者期間が通算6か月以上ある場合)に一時金で支給される。

【支給要件】
・離職日前1年間に被保険者期間が通算して6か月以上あり、離職日の年齢が65歳以上であること

【給付額】
・被保険者期間が1年未満→30日分
・被保険者期間が1年以上→50日分

【待機期間】
7日間
・ただし、自己都合退職の場合には7日間の待機期間に加えて原則1か月間の給付制限がつく。

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65歳以上の人向けの基本手当です。

基本手当の表を見たらわかるように、基本手当は65歳未満の人が対象となっており、65歳以上の人は貰えません。

また、一時金での支給となるため、基本手当と違って4週間に1回毎に失業の認定を受ける必要はありません。

就職促進給付

・就職促進給付は、再就職の促進と支援を目的とした給付で、一定の要件を満たした基本手当受給者が再就職した場合やアルバイト等に就業した場合に支給される。

・再就職した場合の給付を再就職手当と呼び、契約社員やアルバイト等に就業した場合の給付を就業手当と呼ぶ。なお、就業手当は2025年3月31日をもって廃止された。

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基本手当の残日数が残っている場合に、再就職手当や就業手当が受給できる仕組みです。

「基本手当を貰えるぎりぎりまで働こうとしない人が減るように」という意味も込めての給付です。

再就職手当(基本手当日額×支給残日数×支給率)は、基本手当の支給残日数に応じて支給率が異なり、支給残日数が2/3以上ある場合は70%、1/3以上ある場合は60%。

教育訓練給付

・教育訓練給付は、労働者等が自分で費用を負担して、厚生労働大臣が指定する講座を受講し、修了した場合にその費用の一部が支給される制度。

・教育訓練給付には、一般教育訓練給付金・特定一般教育訓練給付金・専門実践教育訓練給付金がある。

教育訓練給付
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一般教育訓練給付には、FPなども含まれています。

専門実践教育訓練給付には、看護師や保育士などの専門的な仕事が含まれています。

ちなみに、2024年10月から教育訓練給付が増額されていて、

特定一般教育訓練給付についても、資格取得をしたうえで修了日から1年以内に就職した場合には、10%(上限5万円)が上乗せになった。

専門実践教育訓練給付については、訓練開始前と比較して就職後の給料が5%以上上がった場合には、さらに10%(上限8万円)が上乗せになった。

教育訓練給付支援金

・専門実践教育訓練の受講開始時に、45歳未満の離職者が初めて専門実践教育訓練給付を受講する場合、訓練期間中のうち基本手当の支給が受けられない期間については、次の給付金が支給される(2027/3/31までの暫定措置)。

教育訓練給付支援金=基本手当日額×60%

高年齢雇用継続給付

・高年齢雇用継続給付は、60歳以降も継続して働く人に対して必要な給付を行い、雇用の継続を促すための制度。

高年齢雇用継続基本給付金高年齢再就職給付金がある。

高年齢雇用継続給付
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2025年4月1日から、給付額が最大15%→10%になりました。

いずれも賃金が64%以下まで落ちた場合に、最大の10%が支給されます。

介護休業給付

・家族を介護するために休業した場合で、一定の条件を満たした場合に支給される。

93日を限度に、3回まで支給される。

【受給要件】
・介護休業開始日前2年間に被保険者期間が12か月以上あること
・支給単位期間内の就業日数が10日以下であること

【支給額】休業前の賃金の67%相当額。

育児休業給付

満1歳未満の子(パパ・ママ育休プラス制度を利用する場合には1歳2か月未満の子。また、一定の場合は1歳6か月または2歳未満の子)を養育するために育児休業を取得した場合、休業前賃金の67%相当額(6か月経過後は50%相当額)が支給される。2回まで分けて取得できる。

【受給要件】育児休業開始日前2年間に被保険者期間が12か月以上あること

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割合を一旦、整理します。

「雇用保険の介護休業給付」も67%

「健康保険の傷病手当金・出産手当金」は2/3

「労災保険の休業補償給付」は6割

前2年間に被保険者期間が12か月以上というのは、

「雇用保険の基本手当」の受給要件と一緒です。

出生時育児休業給付金

・基本的には父親を対象にした制度(養子縁組などの場合には女性が対象になることもあるが、産まない側の親を対象にした制度)。

・最大で28日分、育児休業給付と同じ67%の金額を支給される。

【支給要件】
1. 子の出生日から8週間を経過する日の翌日までの期間内(奥さんの産前産後休暇が終わるまでの期間)に、4週間(28日)以内の期間を定めて、当該子を養育するための出生時育児休業を取得した被保険者であること
2. 休業開始日前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある(無い場合は就業した時間が80時間以上の)完全月が12か月以上あること(これは育児休業給付の要件と一緒)
3. 休業期間中の就業日数が、最大10日(10日を超える場合は就業した時間数が80時間)以下であること
4. 期間を定めて雇用される被保険者の場合、子の出生日から8週間を経過する日の翌日から6か月を経過する日までの間に、その労働契約の期間が満了することが明らかでないこと

【支給期間】
・子の出生日から8週間を経過する日の翌日までの期間内(奥さんの産前産後休暇が終わるまでの期間)の、4週間(28日)以内の期間。
・分割して2回取得することが可能。

出生後休業支援給付金

・2025年4月から出来た制度。

・最大で28日間、両親ともに追加で13%の支給を受けることができ、67+13=80%の支給金にすることが出来る。

【支給要件】
・原則として、出生後休業(子の出生後8週間以内に4週間まで取得可能な休業)を開始した日前2年間において、被保険者期間が通算して12か月以上であること
・被保険者が、対象期間内に取得した出生後休業が14日以上あること
・被保険者の配偶者が、子の出生日から起算して8週間を経過した日の翌日までの期間内に取得した出生後休業の日数が通算して14日以上あること

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夫婦で14日以上休みを取れば、夫婦両方が貰える支援金が67→80%に最大で28日間upするという制度。

夫も育児に参加していきましょう!という時代の勢いを感じますね。

育児時短就業給付金

・2025年4月から始まった制度。

・2歳未満の子を養育するために、時短勤務をした親に対して当該月のお給料の10%を支給する制度。

【支給要件】
・2歳未満の子を養育するために、1週間当たりの所定労働時間を短縮して就業する被保険者であること
・育児休業給付の対象となる育児休業から引き続いて同一の子について育児時短休業を開始したこと、または、育児時短就業開始日前2年間に賃金支払基礎日数が11日以上ある完全月が12か月あること
※なお、育児時短就業中の次の要件を全て満たす月について支給される。
 ・初日から末日まで続けて、被保険者である月
 ・1週間あたりの所定労働時間を短縮して就業した期間がある月
 ・初日から末日まで続けて、育児休業給付または介護休業給付を受給していない月
 ・高年齢雇用継続給付の受給対象となっていない月

【支給期間】
・原則として育児時短就業を開始した日の属する月から育児時短就業を終了した日の属する月までの各月について支給される。

【支給額】支給対象月に支払われた賃金額×10%
・ただし、時短前の賃金を超えることが無いように%は調整されるので、時短せずに働くよりは給料は少なくなる。

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何だかんだで育児休業の後に時短勤務をせざるを得ない家庭も多いはず。

そんな家庭にとっては、多少なりとも助けになる制度です。

コメント

育児休業給付って基本1年しか貰えません。

実際に親になってみると1年しか貰えないのって短いですよね💦

2025年度から育児休業給付の支給は拡大されており、このまま広がっていくと良いですね。

過去問

2023/09月 学科試験
正解はこちら

正解は②です。自己都合で退職した場合の給付制限は2か月です。

その他、過去問で気になったことは以下。

・雇用保険の保険料について。失業等給付・育児休業給付分は労使折半で、雇用保険二事業分は事業主負担。

・高年齢雇用継続給付は賃金月額が75%未満になることで受給可能となり、64%未満になると10%相当額が支給される。

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